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「傷だらけの天使〜魔都に天使のハンマーを〜」矢作俊彦 [〜老眼はつらい〜]

昨日、御本社様から「業務に支障のない者は、無理な出社は控えるよう」とのお達しが届いた。
計画停電による交通障害を配慮し、なんとも社員思いの会社ではあるのだが、ほとんど「業務に支障のない」小生は、当然の如く出社してみた。電車はがら空き、オフィス街にいつもの喧噪はなかった。
雑事をとりあえずこなし、定時に帰路に着けば、魅惑の我が盛り場「錦糸町」のネオンは悉く消え、馴染みの映画館もサウナも営業停止状態。日経ダウ大引けは大暴落である。

テレビの凄惨な映像ばかり見ていて、悲壮感に浸っているだけではいけない。
一方的な情報に翻弄され、カタストロフィに怯えてペシミズムに嵌っている場合ではない。

一日も早く日常に戻らなければ、街が死んでしまう。日本が沈んでしまう。

犠牲者の方々に祈る気持ち、被災地への支援の姿勢は人として、当然である。
が、我々がまず心がけねばならぬ事は、私達自身が平常になることではなかろうか。

無理する必要は無い。いつものようにガツンと仕事をし、いつものようにグビグビ飲みに出よう。
それが復興への第一歩だ。意気消沈した首都・東京を目の当たりにし、私はそう思った。




通常モード

私の携帯電話は着信音なしの24時間マナーモードである。時も場所も選ばず鳴り響く呼び出し音は、マナー違反だと心得ているし、まして見知らぬ人々の前で「着メロ」など小っぱずかしくて鳴らせない。
しかし、電話をかけてきたお相手に対し、こっそりと「待ちうた」だけは登録しているのである。


判る人だけニヤリとして戴ければ有難い“マイ・フェバリット・ソング”だ[ぴかぴか(新しい)]

このテレビドラマには、当時、子供ながらにドップリ嵌ってしまった。

綾部情報社のチンピラ請負調査員「修(オサム)」と「亨(アキラ)」の可笑しくも哀しき物語。
70年代当時の鬱屈とした若者達の姿を、時に暴力的に無軌道に、時に天使のように美しく描いた伝説的ドラマである。
とにかく、俳優転向間もない萩原健一=ショーケン(オサム)の粋な格好悪さに憧れた。
「アニキ〜」の決まり文句で一世を風靡した水谷豊(アキラ)のヘマさ加減に痺れた。
「ムーミン」の声優役だった岸田今日子(綾部貴子)の摩訶不思議な妖艶さにおののいた。

どうしようもない自墜落な生活ながら弱い者にはトコトン優しい男。こんな「兄貴」になりたいと幼気な少年を夢想させるほど危険な影響度大のドラマであった。
今の女房に出会わなければ、私も「修」くずれになって「宿無し」になっていたかもしれないと思う今日この頃。

そんな強烈な思い出のあるTVドラマが小説になっているではないか[exclamation]しかも、当時から30年後の設定で[exclamation×2]
傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを (講談社文庫)

傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを (講談社文庫)

  • 作者: 矢作 俊彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/15
  • メディア: 文庫
ららら科学の子」の矢作俊彦が描く抱腹絶倒、70年代を知る者には涙が止まらない悶絶エンターテイメント[どんっ(衝撃)]

風邪をひいたアキラを死なせてしまい、彼の亡骸を夢の島に捨ててから30年。
小暮修は、東京郊外で長閑なホームレス生活をしていた。
或る日、彼の名を語ったホームレス仲間が惨殺される。真相を突き止めるべく、修は不思議な役人とコンビを組み、因縁の街・新宿歌舞伎町に乗り込むのであった・・・

TVドラマを観ていた者でなければ、この小説に想いを寄せる事は不可能であろう。まさに年齢超限定オッサン仕様作品と云える。

高度成長期一服の70年代。とてつもないスピードで繁栄したニッポン経済の中で、「ちょっと忘れ物をしていなかったかな?」と旧き日本を少し振り返った頃。日本人が多様な価値観に目覚め、ギラギラしていた時代かもしれない。

随所に現れる洒落た会話に、思わず納得ニタリ。

綾部貴子との再会シーン
貴子「それで今、何してるの。お腹すかせているんじゃない?」
修「ええ、相変わらず。いつも胸のすく思いを求めて腹をすかせてます
・・ん〜私もそうかも[ちっ(怒った顔)]
昔のアキラのように修に懐いてきた役人・滝伸次(愛称シャークショ)との会話。
滝「最初にお会いした時から、この人はただものじゃないって」
修「おだてても何も出ないぞ。ーーーおれはただものだ。 ああいうのとは、いくら金を積まれても馴染めない」
滝「ああいうの?」
修「勝ち組って言うんだろう。勝ち馬なら乗れるが、勝ち組には乗れないからな。乗ろうとしても乗せてくれない。乗りたくもねぇや」
・・・それが男だ[パンチ]
盗んだスカイラインGTRをもぐりの中古車屋に売りにいったが、二束三文で叩かれて。
修「この車、何か知ってるのか?泣く子も黙るスカGだぞ。鈴鹿でポルシェ904をかわしたんだぞ。平凡パンチ創刊号のグラビアを見たことないのか。このウスラ蛸!」
・・・涙がでるわ[もうやだ~(悲しい顔)]
綾部貴子(米寿?)との衝撃の再会とその娘?らしい美少女・澪との出会い。殺人犯探しが、いつしか「新宿浄化」を目論む巨悪との対決へとストーリーはヒートアップ。解決の糸口は、修の知る訳も無いネット社会の中にあった。かつて暮らしたペントハウス(不法占拠だったが)のビルのオーナーの一人娘・典子の協力を得て、ヴァーチャル世界に侵入した修が見たものは、昔のままのリーゼント頭の「アキラ」だった・・・

昔の登場人物達が、そのまま30年後に続々と登場する。
この胸のトキメキは、70年代へのノスタルジーか?はたまた時代の変遷にも変わらぬ男気への憧れか?

極めつけの修の台詞。
「毎日聞くのはロックでも、生まれ育ちは浪花節」
まさに私の信条でもある[どんっ(衝撃)]

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コメント 8

せいじ

ご訪問ありがとうございました。
by せいじ (2011-03-17 05:43) 

ぷーちゃん

この頃から
水谷豊、良かったね~
by ぷーちゃん (2011-03-17 09:20) 

DEBDYLAN

カッコいい曲っすね!!

by DEBDYLAN (2011-03-18 21:44) 

つむじかぜ

>せいじ様
こちらこそ、ありがとうございます。「声フェチ」特集、好きです^^
by つむじかぜ (2011-03-18 23:21) 

つむじかぜ

>ぷーちゃん様
水谷本人は、「この役は嫌いで仕方なかった」と後日述べてますが、ハマリ役ですよね。私は、「熱中時代」の先生役の方が、当時、違和感を感じちゃいました。
by つむじかぜ (2011-03-18 23:27) 

つむじかぜ

>DEBDYLAN様
『太陽に吠えろ』のテーマソングも手がけた「井上堯之バンド」です。
いいノリですよね^^
by つむじかぜ (2011-03-18 23:32) 

KEI

どっぷり「傷天」にハマった世代です。再放送を含めて何回見たことだか・・
友人はあのペントハウスをまねて部屋をガラクタだらけにしてました。
”JUN",”DOMON"・・・ショーケンのファッションも憧れでした。
by KEI (2011-03-19 02:29) 

つむじかぜ

>KEI様
Nice!&コメントをありがとうございます。
ファッションもイカしてましたよね。
岸田今日子が存命だったら、小説も映画化できたかもしれません。残念。
by つむじかぜ (2011-03-20 01:59) 

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