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『プンサンケ』&『凍える牙』 [上映中飲食禁止じゃ!]

自宅からチャリンコで5分の「心斎橋シネマート」は、新宿、六本木と姉妹館のマイナー作品上映主体のお気に入りの映画館。梅田や難波のシネコンと違って、全自由席であるが、いつでも好みの席に座れる適度な[あせあせ(飛び散る汗)]閑散具合がよろしい。
今回は、竹島問題で揺れる隣国、韓国製作の作品を続けて鑑賞[目]
芸術の世界に政治問題を持ち込むのは愚の骨頂、というのが私論である[パンチ] 
 
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監督:チョン・ジェホン
脚本:キム・ギドク
製作・総指揮:キム・ギドク
製作:チョン・ユンチャン
撮影:イ・ジョンイン
音楽:パク・イニョン
 
キャスト:ユン・ゲサン キム・ギュリ
 
38度線を行き来し運び屋をつとめる正体不明の男“プンサンケ“。ある日、彼の元に韓国へと亡命した北朝鮮元高官の恋人、イノクをソウルへ運べという依頼が届く。そして、彼は幾多の困難を乗り越えて、イノクを無事届けるが、依頼主に裏切られ拘束されてしまう...(ぴあ映画生活より)


[どんっ(衝撃)]シニカルかつ強烈な一発[どんっ(衝撃)] 

個人的に激賛の衝撃作『悪い男』(2001)の奇才・キム・ギドクの脚本に惹かれての鑑賞だったが、想像を超えた“熱さ”に脳髄をチラリと灼かれた感じである。
 
(同氏は、先日のベネチア国際映画祭で最新監督作「ピエタ」で金獅子賞を獲得[exclamation×2]) 
 
 
南北に分断された離散家族のビデオ・レターを秘密裏に運ぶ謎のメッセンジャー〜作中では名は語られず、彼の愛飲する煙草から「プンサンケ」と仮に呼ぶ事にしよう〜南北朝戦間を僅か3時間で往復する彼は、時に人間をも運ぶ。 
 
このプンサンケと彼が“運んだ”亡命北朝鮮高官の愛人イノクとの儚くも激しい恋情が作品の骨格である。
38度線を武器もIT機器も持たず、自らの肉体のみで難なく潜り抜ける姿が圧巻[どんっ(衝撃)]
キム・ギドクの愛弟子であるチョン・ジェホン監督は、師匠のエッセンスを踏襲しつつ、リアリティ溢れる描写で、この脱出劇を描き、今の南北分断の現実を炙り出す。
一連のキム・ギドク作品から窺える特色は「下品でエロな中の哀愁」なのだが、チョン監督の若い感性が、それに洗練さを付け加える。
 
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プンサンケ役のユン・ゲサンは、劇中に一言も発しない。鍛え抜かれた肉体と寂しげな眼差しが、氏素性を明かさず、南北どちらの味方をも解らぬ謎の男を一層際立たせる。
イノク役のキム・ギュリ。典型的絶世の美女ではないのだが、激しい気性と柔らかな奥ゆかしさを併せ持つ哀しいオンナを熱演した。
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若い頃はアイドル系女優だったようだが、33歳の現在は、日本の「松たか子」にも通じる清楚ないやらしさを感じるオトナの女優だ。
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この二人の仄かな心の触れ合いが、元北朝鮮高官の嫉妬の嵐と狡猾な韓国情報部の策略により、かえって愛の炎へと燃え上がる。更にそこへ、売国奴暗殺に燃える北朝鮮情報部が介入し、ストーリーはキム・ギドクお得意の予測不可能なカオスな世界へと展開していく。 
 
悲恋の結末と共に、プンサンケが最期にとった行動は、今の南北朝鮮問題を悲しいまでに滑稽に浮き彫りにしたのであった。
 
両国家間に翻弄される国民いや朝鮮民族としての視線から、恋愛アクションドラマの体裁をとりつつ、南北分断約六十年間を国体保持のみに費やした両国の愚行を、強烈に批判している。
 
キム・ギドクが、血の涙を流しながら両国家の茶番劇をあざ笑っているかのようであった...まさに激作[パンチ]
 
彼に賛同した全キャスト・スタッフは、無報酬での参加。
 
プンサンケ〜豊山犬〜
希少保護動物に指定される北朝鮮原産の狩猟用犬種。獰猛で力が強く、一度噛んだ獲物は放さない。故・金正日総書記は、北朝鮮と韓国の友好の証として、つがいの豊山犬と韓国の代表犬種、珍島犬を交換しあった。同名で韓国煙草の銘柄がある。
 
 
 
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もう一本は原作が日本の小説。こちらは本物の「犬」です[ひらめき]
 
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監督・脚本:ユ・ハ
原作:乃南アサ
 
キャスト:ソン・ガンホ イ・ナヨン
             シン・ジョングン イ・ソンミン
 
ソウルの一角で、不可解な人体発火事件が発生。しかもその遺体には獣の咬傷が残されていた。捜査には刑事サンギルと新米女性刑事ウニョンが当たる事になった。昇進を逃し続けているサンギルはウニョンを疎ましく思いながらも、勝手に捜査を進めていく。やがて第二、第三の咬殺事件が発生し、犬と狼の交配種であるウルフドックの仕業だと判明する。ウニョンは男性同僚たちの差別的な扱いに耐え忍びながら、真相に近づいていく…(goo映画より 
 
 
1996年直木賞受賞作品が韓国で映画化された。
原作は、文庫化直後(2000年)に読んでいる。
細かい情景描写までは、うる覚えであるが、前半のミステリー仕立ての緊迫感に胸高らせ、女刑事・音道貴子に結構、感情移入した記憶が強い。
 
そんな思い出の作品であるが、映画化された本作は、原作のエッセンスである「熱き想い」までは表現しきれなかったようだ。
 
当然、韓国バージョンなので、原作上の音道貴子は「ウニョン」という名の新米刑事になる。
演じるのはイ・ナヨン・・・スリムの典型的な韓流美人俳優。
 
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一瞬「柴咲コウ、韓国映画主役に抜擢!」と思ったほどの激似なのだが、とにかくイイ女です[わーい(嬉しい顔)]
しかし、原作を知る者としては、音道貴子のイメージからは大分かけ離れていた。これは、脚本・演出によるものだろうが、女刑事の「熱き想い」が十分に伝わって来なかった。何よりも、彼女のバイク姿が似合わないのが致命的。
 
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イニョンと中年刑事サンギルの過去の描写が中途半端な為、現在の二人の哀しき境遇がリアルに浮かんでこない。
少女売春の実態も、韓国映画らしからぬアッサリとして表現で、犯人の強い怒りも伝わりにくい。
未だに男尊女卑が根強い韓国での女性刑事の奮闘ぶりは、お国柄も偲ばれて、イ・ニョンの熱演ともども興味深かったが、肝心の事件究明への緊迫感が薄過ぎた。
 
夏樹静子サスペンス・2時間ドラマ」を観ている様な軽い印象がつきまとう、映画としては少々作り込みの足らない内容であった。前項の強烈な「プンサンケ」観賞後だった為に、その思いは尚更かもしれないが... 
原作が素晴しいだけに残念[パンチ][パンチ][パンチ] 
 
[どんっ(衝撃)]狼犬「チルプン」迫真の演技に、製作陣は見習うべし[どんっ(衝撃)]
 
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コメント 3

macinu

心斎橋筋!にぎやかでいいですね~!!金龍ラーメンまだあるのかな~?
by macinu (2012-09-23 02:18) 

つむじかぜ

> macinu様
nice&コメントをありがとうございます。
金龍ラーメン、むろんありますよぉ〜
病み付きになる味と共に、あの不思議な小上がりの雰囲気が良いですね^^
by つむじかぜ (2012-09-24 01:05) 

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