So-net無料ブログ作成

「世界一キライなあなたに」 [上映中飲食禁止じゃ!]

センスが感じられない邦題はご愛嬌
[ぴかぴか(新しい)]感動と衝撃問題作です[ぴかぴか(新しい)] 
 
CjX9UEGVAAE20Oj.jpg
 
上映館も限られ、話題にも上がらない映画だが、一部の評価が良さげなので予備知識なしで、久々に新宿へGO!
 
イギリスの田舎町で暮らすルイーザは現在、独身の26歳。ある日、勤務先のカフェが突然閉店して無職になった彼女は、交通事故で車椅子生活を送るウィルの介護の仕事を得る。持ち前の明るさで対応するルイーズは、いつしかウィルと心を通わせ、惹かれていく。(ぴあ映画生活より) 
 
ナイスガイと麗しいブロンド嬢がベッドの中で睦まじく目覚めるシーンがオープニング。
「お〜今回のヒロインも金髪じゃ〜[黒ハート]」と、喜ぶのもつかの間、家を出た彼氏がバイクに轢かれ、場面が転換。イギリスの片田舎のカフェで働く少々バタ臭いオネエちゃんがクローズアップされる。
 
chapter1-take1-blogspot.png
 
決して絶世の美人ではない。表情を崩すと見せる額のシワは如何ともし難いし、金髪でもないし、スタイルが良い訳ではない。とにかくいつも前向き・天真爛漫、話好き、世話好き、お洒落好き。そんなヒロインのルーをエミリア・クラークが熱演だ。「ターミネーター:新起動/ジェニシス(2015年)」のサラ・コナー役でブレイクしたが、常に男勝りの演技を続けながら、時折見せる色気でドキッとさせる不思議な魅力に小生も注目だった。
 
 image.jpeg
 
6年勤めたカフェが閉店し無職となったルーは、家計を支えるため、地元の資産家の家政婦として雇われることになる。6ヶ月限定の主な仕事は、車椅子生活の一人息子の世話である。
 
舞台はウェールズのペンプローグ城とその城下町 
ペンブローク.jpg
 
この古城を持つ名家の息子ウィルが、冒頭の交通事故で実家に戻り、年若くして隠遁生活を送っているのであった。誰もが羨む将来を嘱望されたエリートを襲った悲劇。首から下は、僅かに指が動かせるのみ。現実を受け入れきれず、外部に心を閉ざしたきりの元ナイスガイをサム・クラフリン。「スノーホワイト」「ハンガーゲーム」シリーズに連続出演した売り出し中の男優だ。
 
web1_me-before-you-1.jpg
 この時は走り待ってたんですがねぇ...
4f6a9f1fe56cc1309c438e222df39ece.jpg
 
天真爛漫のルーに厭世観に溢れたウィルは嫌悪感を丸出しにするが、彼女は「お金のためよ!」と吐き捨てながらも、持ち前の前向きさで彼との接点を探っていくのだった。ルーの照らす真っ直ぐな陽の光に、少しづつ氷の心を溶かされてるいくウィル。彼から滲み出てきた本来の人柄と高い教養は、ルーが今まで出会った人には感じられなかったものだった。全く育ちも境遇も違う二人は次第に惹かれあっていく。
 
在る雨の日、二人がフランス映画のDVD「神々の男たち」を観る。生まれてこのかた字幕付き映画には無縁だった彼女の驚きと、鑑賞後の二人の感想の違いは、この映画の後半をも暗示する象徴的なシーンだ。なんと巧みな演出[exclamation]
 
小生は、外見に無頓着だったウィルが、ルーに無精髭を剃ってもらう場面が好きだ。非常にリアルかつセクシーな描写が、心を解き放った彼と、それを受け止めた彼女を表現した美しいシーンだった[黒ハート]
 
 960.jpg
 
ここまで鑑賞していると、仏映画の「最高のふたり(2011年)」とのダブり感が増幅される。主役の二人が男女となりラブロマンスに味付けを変えただけの設定に思えたが、中盤からストーリーの色合いが大きく違ってくる。
 
「ディグニタス」・・・スイスの尊厳死協会。安楽死を人間の権利として認め、医師の立会いのもと、自殺幇助する機関である。世界中からの受け入れを可能とし、過去に利用した人間の20%は社会生活に不安の無い健常者と言われている。 
 
ウィルは既にこの団体との契約を完了し、「その日」は刻々と近づいていたのだ。悲しみにくれながらも、息子の意志を尊重することにした両親は、「その日」以前に発作的な自死を選ばぬ為の監視役として、ルーを雇い入れていたのだった。
 
事実を知ったルーは、ウィルの「生きる目的」を取り返すべく懸命の努力を試みる。その試みが最終的に「二人の愛の成就」に連なっていく。好奇心から信頼そして恋愛に移りゆく男女の感情の機微の描き方が丁寧かつロマンチックだ。特に野暮ったい田舎娘のルーが、コケティッシュかつ一種異様なファッションを次々と纏いながら、美しく大人のオンナに洗練されていく様は、本作の見所の一つでもある。
 
O-estilo-de-Lou-Clark-em-Como-Eu-Era-Antes-de-Você.jpg
 
車椅子のダンスシーンでの輝くふたり
Me-Before_You_rev-lst205292_thumb.jpg
 
ありきたりのストーリーであれば、ウィルが生きる喜びを掴み、愛し合う二人はメデタシメデタシ〜ハッピーエンドになる訳だが、今作のエンディングは違う。彼は、彼女を愛するがゆえの決断を下すのだ。
 
エンドロール時に、とめどもない寂寥感と共に秋風のような爽快感が入り混じった不思議な感覚に包まれる。男の生きる支えになろうと必死に愛を注ぐ女。女を愛するがゆえに、未来ある若い彼女の足枷になるまいと考える男。純愛と尊厳が幸せの意味を問う。悲しい結末ながら、ウィルの愛を一身に受けたルーは、一回り大きな女性となって人生の次の一歩を踏み出すのである。
 
末期医療患者の尊厳死や老々介護殺人を扱ったシリアスな作品も最近は少なくない。(「ミリオンダラー・ベイビー(2004年)も傑作であったが...」今作は、若い男女の「ラブロマンス」という全く異質のアプローチを持って、コミカルかつロマンチックに描きつつも、この現代の大きな社会問題を真正面から、観る者に訴えてきている。何よりも「ディグニタス」という自殺幇助団体の存在を知った衝撃[exclamation×2]
 
当然、賛否両論の評価の作品のようだ。それは、単に意外な結末に対してのもので、映画自体の完成度を非難するものではないはずだ。正直、小生は、ウィルの決断に対して、肯定も否定もできない。自分が当事者にならなければ答えは迂闊に出せない。明確なのは、ありきたりなハッピーエンドであれば、記憶に残らない映画になったという事だ。
 
未だかつてないタイプの「傑作」だと思う。
 
 
 
 
◎今回の注目[目][目][目]
 
エミリア・クラークが徐々に美しくなってく様は圧巻だったが、妹役の女優さんには最初から視線が釘付けなのでした。
 
alx_filme-como-eu-era-antes-de-voce-20150517-008_original1.jpeg
 
ジェナ・ルイーズ・コールマン
 60897-imgur-the-simple-image-sharer-tBa0.jpeg
 
 イギリスTVドラマ界では結構有名らしいが、本格的な映画出演は今作が初めてのようだ。
 
 
Cr-Kn3BXgAATmnZ.jpg 
 
[揺れるハート]結構、タイプなんです[揺れるハート] 
 

nice!(37)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 37

コメント 1

non_0101

この作品は観たかったのですけど見逃してしまいました~
せめてもと思って原作本にチャレンジしてみました。
やっぱり切なかったです(T_T)
パッケージになったら映画にもチャレンジしてみたいです☆
by non_0101 (2016-11-12 21:42) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。