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『戦火のナージャ』 [上映中飲食禁止じゃ!]


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監督・共同脚本・製作:ニキータ・ミハルコフ
製作:レオニド・ヴェレシュチャギン

キャスト:ニキータ・ミハルコフ オレグ・メンシコフ ナージャ・ミハルコワ

撮影:ウラディスラフ・オペリアンツ
美術:ウラジーミル・アロニン
音楽:エドアルド・アルテミエフ

1943年5月。KGBの幹部ドミートリ・アーセンティエフ大佐(オレグ・メンシコフ)は、スターリンに呼び出され、「コトフについて知っていることは?」と尋ねられる。コトフとは、かつてスターリンに背いた罪で銃殺刑に処されたはずの元陸軍大佐アレクセイ・セルゲーヴィチ・コトフ(ニキータ・ミハルコフ)のことだ。
スターリンは、コトフがまだ生きているのでは疑い、ドミートリにコトフの捜索を命じる。ドミートリとコトフは因縁の仲だったが、ドミートリはコトフのひとり娘ナージャ(ナージャ・ミハルコワ)を密かに匿っていた。
ナージャは党の少年少女団に所属し、意志の強い少女に成長していたが、突然に消息を絶った父への想いを抱き続けていた。やがてナージャは、生き別れた父を探すため戦火のなか、各地を放浪するのだった。



前宣伝から、「戦争によって生き別れた父娘が試練を踏み越えての涙と感動の再会物語」をイメージしていたのだが、完全に良い意味で裏切られた。

まず、主役のコトフ親子以外に登場する名も無き市民・兵士達の人物描写が丁寧かつ克明であり、「人間ひとりひとりの命」の躍動と喪失が儚いまでに胸を締め付ける。
そして消え往く多くの命の鏡像として、常に死線との境界を彷徨うコトフ親子の生への執念が、まさに神の思し召しとも云える奇跡を呼び、命を永らえる様が描かれ、魂の震えを禁じ得ない[もうやだ~(悲しい顔)]

壮絶な戦闘シーンは圧巻だった[どんっ(衝撃)]
ある意味淡々と独戦車部隊が露軍兵士の生命をいとも簡単に踏みにじる様子は、リアルな殺戮シーンより遥かに恐怖を植え付けさせる。戦闘後の数多のロシア兵の屍体から発せられる無数の腕時計の秒針が刻む音。雪原に倒れる彼らに降り注ぐ新雪が、いつしか地獄絵を白銀の無垢の世界に塗り替える。ハリウッドの戦争映画とは一線を画した表現力に、驚嘆するばかりである。

監督兼主人公のニキータ氏の迫真の演技もさることながら、この親にしてこの娘と思わせるナージャ(役名も本名も同じ、監督の実の娘)のひたむきかつ清楚な姿が、この作品を更に格調高いものにしている。
機雷に掴まりながら洋上を独り漂流する頃は、本能的な生への執念の強さのみを見せていた。それが後半には、明確な意志として生き残る自信に溢れ、父親を探す為に敢えて衛生兵となり死地に向かう果敢な女性に変貌する。
ラストシーンでの美しき彼女の姿は、まるで天使のようである。

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素顔も素敵なスラブ美人。
左が父上のニキータ・ミハルコフ氏。
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スターリン圧政下の母国に対する冷徹な目と愛国心。命の尊さと儚さ。
コトフ親子の別々の壮絶なサバイバルを中心に、失われた名も無き多くの命まで丁寧に描き、戦争の不条理と非情を徹頭徹尾、訴えたロシア映画の名作に位置づけられると思う。


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コメント 1

non_0101

こんにちは。
予備知識もほどんどないまま観てしまったので、
ハードな戦争シーンに圧倒されました。
そして、時々回想シーンで入る可愛い女の子が、
そのまま今作でも主人公を演じているとはびっくりでした。
> ラストシーンでの美しき彼女の姿は、まるで天使のようである
本当に天使みたいでしたね(T_T)
by non_0101 (2011-06-01 23:50) 

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